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2020.08.17収集の手引き
収集の手引き【第1章】~第4項~「コイン選びに役立つ雑学(前編)」

「コイン選びに役立つ雑学(前編)」
アンティークコイン投資に役立つ知識や、知っておいて損はない雑学など、コイン探しが楽しくなること請け合いの情報を前編・後編に分けてお届けいたします。

1.「コインのグレードとは」
お宝を鑑定する類のテレビ番組でよく聞かれる「保存状態が良い、悪い」という言葉。
じつは美術品や骨とう品など、実物投資の場合は、その品の状態が重要なカギとなります。
コインの場合も同様ですが、他の実物投資と異なるのは、コインの場合は、公的な機関にて「グレード」がつけられていること。そのため、コインの知識がなくても、コインの状態が客観的にわかるのが大きなメリットです。
コインのグレードについては、「PCGS」と「NGC」という2つの公的鑑定機関がワールドスタンダードとなっています。
これらの鑑定機関で採用されているのが、シェルドンスケールと呼ばれる世界基準。
最高鑑定が70で、69、68、67……と、数値が下がるごとにグレードも下がります。
もしもコインに特筆すべきマイナス要素がある場合は、70段階の鑑定結果にあてはまらない、ディテール鑑定と判断されます。
ディテール鑑定の場合は、スラブにその内容が記載されます。コインは洗浄することは厳禁なのですが、
万一洗浄されてしまったものには、「クリーニング鑑定」がつきます。目立った磨き傷がある場合は「ヘアライン」、ひっかき傷の場合は「スクラッチ」の判定を受けてしまいます。投資用コインは、傷や摩耗のない美しい物が好まれますので、ディテール鑑定を受けたコインは、半値くらいに下がってしまうとも言われています。
逆に保存状態のいいコインは、それだけ価値が高くプレミアが付きます。
もちろん売却時もグレードが価格に大きく影響します。有名なコインなのに、安い場合は、グレードが低い可能性が高いのでご注意を。
偽物のコインは、スラブケースに封入されることなく「カウンターフェイト」として戻されます。ですから鑑定機関PCGSやNGCで鑑定を受けてスラブケースに封入されていれば、本物のコインであることの証明となり、安心して購入できるのです。
グレードについての注意点として、販売会社によっては、自社基準で独自にグレードを認定している場合があります。
当然のことながら、世界的な認知は得られませんから、売る場合に価格に影響します。グレードに関しては、PCGSかNGCのどちらかの認定がついているものをおすすめいたします。
2.「二大鑑定機関について」
アンティークコインの鑑定機関に所属する鑑定士は、自分が所有するコインに高い等級をつけて販売したりすることがないよう、
コインを所有してはならない決まりになっています。公平性を担保するために厳しい業界倫理が敷かれているのです。ところで、「PCGS」と「NGC」という世界二大鑑定機関に関して、よく「この二つの鑑定機関の間で鑑定に差があるのか?」というご質問をいただきます。
二つの鑑定機関の鑑定に差があるといったパブリックなコメントはありませんが、コインに携わる仕事をしておりますと、その鑑定に差がない、とは言えません。ここだけの話ですが、NGCよりPCGSの鑑定のほうが、より厳しいようです。というのもオークションなどでは、PCGSで鑑定を受けたコインのほうが高値がつく傾向があるからです。
実際、私どもでお客様からお預かりしたコインをPCGSで再鑑定にかけますと、NGCで受けた鑑定より1ランク下がって返されてくるケースが少なくありません。と、申し上げますと、「ランクが下がるなら再鑑定しない方がよいのでは?」という疑問を持たれる方もおられます。
しかし、実際にはPCGSの鑑定を受けたコインのほうが、高値で買い取ってもらえる場合が多いのです。鑑定が厳しいということは、その信頼性が高いということの裏付けにもなるのです。コインパレスでは、お客様に安心してコインをご購入していただけるようPCGSとNGC両方の認定ディーラーの資格を取得しています。

3.「近代日本コインの礎はイギリスによって」
日本の近代コインを語る上で、あまり知られていないことですが、じつはイギリスが大きくかかわっていました。
明治時代、近代の夜明けを迎えようとしていた当時、日本政府の高官たちは欧米列強に追いつこうと必死で、硬貨の鋳造もその一つでした。
明治3年には、大阪に造幣局を完成させましたが、造幣局の首長に任命されたのは、イギリスの軍人でもあり技術者でもあったトーマス・ウィリアム・キンダーでした。
つまり明治政府が発行した硬貨には、イギリスの技術や設備が使われているのです。キンダーと同時に、イギリス人ウィリアム・ゴーランドが、大阪造幣局の前身である造幣寮に化学兼冶金技術者として招かれ、近代日本の硬貨鋳造に多大な貢献をしています。

4.「日本の小判の評判」
ある国でコインブームなるものが最初に起こるときには、自国のコインに注目が集まりやすいと言われています。振り返ってみると、日本でも昭和39年の東京オリンピックの記念硬貨がきっかけとなりコイン収集ブームが起こっています。
さて、その後の日本のコインブームはといえば、残念ながら、欧州やアメリカでのアンティークコイン収集のように定番の趣味となることはありませんでした。日本では、古銭収集は、一部のマニアの趣味としてしか、根付かなかったのです。しかも、海外のコインファンから注目されることは、ほとんどありません。
確かに、江戸時代の小判などは大型で目を引きますし、形状も他の国ではあまり例をみないユニークな姿をしています。しかし海外のコインと比較すると、彫刻のデザイン性や、彫り技術の確かさ、刻印の美しさといった点で、やはり海外のコインに一日の長があると認めざるを得ません。
もちろん日本にも素晴らしい古銭や金貨があります。そういったタイプのコインを集める方も、海外のアンティークコインを集める方も、いろいろなコインファンがいてこそ、コイン収集の世界がより深く広がっていくことは間違いないと思います。






















イギリスコイン






























