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コインパレスのコインコンシェルジュブログ

2020.09.14グローバルマクロニュース

【Vol.67 グローバルマクロニュース】欲望と幻想の市場:前編 ~拡大する乖離~

 

はじめに

世界中の株価が回復傾向にあります。

 

米国株にいたっては、過去最高値を更新する株価指数もみられ、株価に完全に火がついた状態となっています。

市場は欲望と幻想に包まれつつ、盲目的に上昇を続けています。

「欲望と幻想の市場」では、事実に基づいた客観的な現状把握と分析を行うことで、マーケットの誘惑に惑わされない、金融市場との冷静な関係構築を目指します。

前編におきましては、米国市場において、一体何が起きているのか、そしてそれは何故なのかについて考えます。

後編におきましては、投資で勝つことの定義、そして、それを可能とする方法について考えます。

 

 

拡大する乖離

激しい値動きを見せる株価に、世界中の投資家は頭を悩ませています。

 

ハイテク株から構成される米ナスダック指数は、9月上旬の1週間足らずの間に20%以上の、大幅な下落をみせました。

米NASDAQ指数推移 (縦軸は3月の底値を100とした価格)
9月に大幅な調整が起こっています(矢印)

Tradingview

 

米国株は完全なるバブル状態にあると思われます。

世界中の中央銀行が放出したマネーが、世界一の経済大国であり、安定感を有する米国に殺到しています。

中でもナスダック指数は、リアルからネット、オフラインからオンラインという世界的な潮流に乗り、波に乗っています。

米国は、そして世界は、強制的なロックダウンとその後遺症に苦しみつつも、基調としての景気回復にあるとはいえ、好景気とは程遠いのが実情です。

現在、我々が目撃している経済は「回復」であり、「成長」とは異なります。

どちらの状況においても、経済指標は右肩上がりではありますが、その意味合いは大きく異なります。

回復を成長と錯覚しないことが大切です。

 

世界の旅客輸送数

Wall Street Journal

 

例えば、航空業界では、コロナ前の輸送量に戻るまで、約2年の年月が必要になりそうです。

その後も世界的な移動の手控えや、「遠隔」といったテクノロジーの発達による“移動の実需後退”から、成長は極めて緩やかになる見込みです。

このように、経済の回復途上であるにも関わらず、株価が最高値を更新し続けるという現在の金融市場は、異常であると同時に実態から乖離しているとしか言えません。

 

 

株価と実態

株価は、業績や景気などから構成される実態を反映しつつ、それらを旋回軸として上下に振幅する生き物です。

株価が実態から乖離しつつ上昇を続けるとき、その先に待ち受ける未来には2種類しかありません。

結果1:株価に実態が追いつく

結果2:実態まで株価が下落する

世界一の活況を呈す、米ナスダック株価指数は、3月の底から80%近くの急騰を見せています。

そして、6月に世界的に感染症と経済の両立が図られてからでさえ、30%の上昇幅を記録しています。

実態景気や業績が30%~80%も急回復するのは難しいため、投資家が“結果1”の目撃者となることは、非現実的といえます。

であるならば、“結果2”にあたる、現状に即した株価水準にまで、株価が下落すると見るのが妥当かもしれません。

勿論、今日の株価が高いことは、明日株価が下落することを意味するわけではありません。

不合理な株価上昇は数年にわたり継続することさえあるからです。

 

 

Go To バブル…?

ロックダウン中の3月、巣篭もり消費ならぬ、「巣篭もり投資」が米国で発生していました。

同様の現象は、武漢でのパンデミックに伴う、武漢市民の強制在宅期間にも観測されました。

どうやら人間は、じっとしていられない生き物のようです。

コロナ渦、withコロナの時代に株式市場で見られているのは、新規参入者の増加です。

「金融の民主化」をミッションとする、米国、「ロビンフッド社」は、“手数料無料や0.1株からの株式売買”を掲げ、大量の顧客を獲得しつつ、新規参入者を市場に送り込んでいます。

このような、新規参入者の増加はバブル中期~末期において観察される現象です。

日本株上昇の末期である2017年には、多くの日本の個人投資家が株式市場に流入しました。

ですが、2018年に突如として起こるVIXショックをはじめとした波乱で、一掃されてしまいました。

チューリップバブルから始まった“バブルの歴史”は、常に同じ過程を辿ります。

チューリップ指数 1636-37年
はじめて人類が経験したバブル~チューリップバブル~は多くの人々を巻き込みつつ、崩壊を迎えます。

wikipedia

 

 

 

バブルの歴史

バブルはいつも、“一握りの優れた人々の行動を大衆が真似すること”で膨らみます。

彼らの行動の背後には、常に「一抹の真理」が存在しており、それが人々を非合理な行動に駆り立て、自らの行動を正当化させます。

 

住宅バブル(日本):日本の住宅価格は(神話的に)永遠に上がり続ける

ITバブル:ハイテクが世界を変える

住宅バブルからはじまるデリバティブバブル:金融工学の発展により、リスクが抑え込まれ、消滅した

仮想通貨バブル:仮想通貨は世界の決済手段を変える

現在:中央銀行の金融下支えと経済正常化が株価を支え、ハイテクはより日常生活に溶け込む

 

過去のバブルの種となった“一抹の真理”は、いずれも全て正しいものでありますが、過大解釈され、誇張されはじめると、好調な相場もいよいよ末期となります。

市場には、時代に応じた様々なバブルの種が植え付けられます。

その種は、“賢い人々”の後に続く、“大衆”により育てられ、芽を出し、より大きく美しくなり、人々を魅了します。

金融史のテキストで頻繁に使われる「大衆」というフレーズは、“経済・金融・経営の知識と経験に乏しく、隣人が株式市場で利益をあげたことを見聞きして、市場に参入する類の人々“を指します。

この定義からすれば、現在進行形で続々と市場に参入している新規参入者もまた、大衆と呼ぶことができるかもしれません。

彼らは、一抹の真理を胸に、既に高値に位置する金融商品を買い上がります。

集団浅慮とは強烈なもので、各個人が冷静に考えれば分かることでさえ、いざ、大衆として1つの集団・人格を形成すれば突如として冷静さや思慮深さを失ってしまいます。

そして、新規参入者や、さらなる後続組は、最初こそ慎重に振舞うものの、「まぐれ」の利益を実力と勘違いし、身の丈に合わないリスクを取るようになります。

そして必ず、どのバブルも同じ結末を辿り、痛き目をみるのです。

こうした歴史は、18世紀から繰り返されており、金融市場が人間の普遍的な性を露呈させる特異的な場である以上、これからも永遠に続くのかもしれません。

 

 

バブル渦で必要なスキルセット

ナスダック指数推移 月足 1993年~2020年
は2000年のハイテクバブルの高値を超えるまでに、10年以上の月日が経過しています。

Tradingview

 

コロナウィルスが世界に拡散して以来、コロナ後を見据えた動きが加速度的に進み、現在では実態と乖離した急激な金融資産の価格上昇が起きています。

現在の実態と乖離した、高値で推移する相場、いわば空中戦に飛び込む投資家は、バブルが疑われる現在の金融市場において必要とされる、以下の事柄と能力について、よく意識しておく必要があります。

 

 

<バブル渦で生き残るためのスキルセット>

  • マクロ経済、企業業績をはじめとした実態を把握し、価格に落とし込む能力
  • 株価と実態との乖離レベルを把握する能力
  • 乖離が発生している理由を理解する能力
  • 乖離を終焉に導くリスクと不確実性を認識する能力
  • 大幅な下落(想像を超える値幅)が常に起こりうると警戒する慎重さ
  • 想定以上の下落に備えた、資金管理とリスクマネジメント
  • 想定外の価格変動に即応できる、トレーディングスキル
  • 周囲の活気に飲み込まれず、冷静さを保ち続ける精神性
  • 強欲にならず、程々の利益で満足する心の余裕
  • いつ撤退するのか(利益確定・損失確定)という明確な基準
  • ニュースや情勢を株価・実態の両方に、価格に落とし込む能力
  • これらを常に意識しつつ、状況に応じてアップデートする力と継続性

 

こうした能力を持ち合わせた投資家は極めてわずかなのです。

そして、単なる分析のみならず、想像力、冷静さといった心理的能力さえも、市場は要求してきます。

欲望を抑え、幻想に惑わされないことが必要で、それが投資をさらに難しくしています。

次稿では、このような中においても、投資における安定的な勝利を追求したときに到達する、単なる“まぐれ”ではなく、「勝つべくして勝つ」ことを可能とする、いくつかの方法について考えます。