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コインパレスのコインコンシェルジュブログ

2021.08.20アンティークコイン

【号外】「ウナ&ライオン」が過去最高1億7千万円にて落札!イギリスコイン界に旋風

ウナ&ライオン

ご挨拶

皆様こんにちは。

イギリスコイン専門店、コインパレスの室田でございます。

本日は号外がございます。

昨日からアメリカで開催中のヘリテージオークションにて、「1839年ウナ&ライオン 5ポンド プルーフ金貨 PR66UC鑑定」が過去最高の落札価格を記録しました。

その価格、なんと1億7千万円でございます!

これまでの記録を大幅に塗り替え、イギリスコイン界に旋風が巻き起こっております。

本日は、話題のオークションの様子、ウナ&ライオンの特徴、ヘリテージオークションの概要についてお届けいたします。

三度世界に微笑みかける英国貨幣の神髄「ウナ&ライオン」が確証する英国貨幣の未来

ウナ&ライオン

オークションを開催したアメリカのヘリテージオークション社

ここに英国という国家を象徴する美しさの際立った一枚のコインの存在が浮かび上がってきます。

「ウナとライオン」の名称で知られるそのコインは、人類史上最高の芸術品の一つと見なされ、今日、一大ブームを形成している英国コインの一向に衰えを見せない価値推移の最大の見本として、絶えず全世界的な熱狂の的とされている作品です。

2008年に世界を揺るがせたリーマンショックの余波は地球の隅々にまで広がり、既存の概念を根本的に揺るがすほどのその経済的破綻は各界の存続に多大なる影響を及ぼす事態を招いたことが記憶に新しく残っています。

2010年以降に興った空前の英国コインブームは、リーマンショックの影響下に誰も気づかないほど静かに到来していました。

なぜ英国のコインが格別の評価を得るに至ったかについては諸説ありですが、英国の国家的信用度の高さ、その長い歴史に裏付けされた王室の権威、そして貨幣制度を始めとする諸制度の充実などが全て吟味されるなど、他国の貨幣と比しての優位が著しく顕著であったことなどがこの時期になって改めて評価の対象となったと見ることが出来ます。

1000年以上に渡る長い貨幣制作の歴史を誇る英国ロイヤルミントの顔とも呼べるヴィクトリア期の天才彫刻師ウィリアム・ワイオンの畢生の傑作こそ、1839年に日の目を見たこの名貨「ウナとライオン」に他なりません。

この作品の近年の価格推移には尋常ならざるものを感じさせられます。発行枚数僅か400枚程度との記録が残っていますが決して確証できる数字ではなく、最良のコンディションを保つものの数は更に少なくなります。

世界的オークションにおいて続々と更新される英国貨幣の真価

ウナ&ライオン

今回1億7千万円で落札されたウナ&ライオンのコイン

2020年10月29日にモナコ公国の首都モンテカルロで開催されたMDCオークションの白眉とされた想像を絶する保存状態を誇る「ウナとライオン」は、記録的な落札結果を残したことで知られています。

101万7000ユーロ(日本円で約1億4000万円)と、この英国貨幣の神髄とされる名品に対する最高落札額を打ち出し、貨幣界に激震をもたらします。

アメリカに本拠を置く世界最高のコイン鑑定機関であるNGC社による査定の結果、プルーフ66鑑定ウルトラカメオ(特殊研磨仕様)を得たこの驚異的な「ウナ」は、このワイオンの作品の世界最高の鑑定結果の最終版と目され、このオークション以降これ以上の価格上昇は無いものとの最終判断が下され、オークションは無事閉幕を迎えます。

しかしこの予想は本年に入り見事に覆されます。

2021年8月19日にアメリカ合衆国ダラスで開催されたヘリテージ・オークションは、モナコのオークション以上のNGCによる鑑定結果を持つ「ウナとライオン」の極品の出品によって記録を更新するに至りました。

プルーフ66鑑定、ウルトラカメオと★(このマークは例外的保存状態を持つもののみに付与されます)という比類なき鑑定結果は127万ドル(日本円1億7千万円)という空前の史上最高落札値を実現し、世界を興奮の坩堝に巻き込みました。

この歴史的な傑作の普遍的価値を再び立証するのみならず、英国貨幣の今後の長期間にわたる充実した安定と黄金期の確実な到来を予測させる力強いメッセージを世界に伝えました。

名貨「ウナ&ライオン」の伝説の背後に存在する若き女王の尊厳と国家的威信

ウナ&ライオン

この度のヘリテージ・オークションにおいて紛れもなく最も重要な出品物であった1839年版「ウナとライオン」ですが、作品の来歴は英国貨幣史上の永遠の伝説であり、21世紀の現在でもその不思議な魅力の全貌はベールに包まれたままの状態を保っています。

コイン表面に描かれているうら若き女性こそ、この物語の主人公であり、英国史上空前の繁栄を成就した大英帝国のヒロインであったヴィクトリア女王(1819~1901)です。

1839年、女王の即位から2年目の年に発行されたこのコインは、発行枚数が約400枚であったと伝えられていますが、現存数は決して多くはなく、発行後多くのコインは散逸の憂き目に遭い、歴史の闇に埋もれています。

表面に描かれているこのコイン肖像画の一大傑作の創造主は、19世紀ロイヤルミント最大の才人ウィリアム・ワイオン(1795-1851)で、裏面の「ウナとライオン」と共にコイン両面においてその卓越した技を披露しています。

1837年に即位したばかりのヴィクトリアの治世の始まりを告げるこの秀逸なポートレートは、即位当時若干18歳であった女王の若々しさと聡明さを余すところなく表現すると同時に、来るべき大英帝国大成の黎明期を象徴するものとして普遍的価値を有しています。

この歴史的な肖像画は全世界に英国女王の威厳をアピールするばかりか、英国の国家的威信を高揚させる役割をも担い続けていました。