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2021.08.30アンティークコイン
【過去最高1億7千万円で落札】ヘリテージオークションとは?落札されたコインとは?
ご挨拶
皆様こんにちは。
イギリスコイン専門店、コインパレスの瀧でございます。
先日8月19日、20日に開催されたヘリテージオークションにて、ウナ&ライオンの金貨が過去最高の1億7千万円で落札されました。
イギリスコイン業界にも衝撃が走り、毎日のように話題に上がっております。
そこで今回のコラムでは、落札されたコインの特徴や、そもそもヘリテージオークションとは何なのか解説いたします。
ヘリテージオークション社とは?
引用:ヘリテージオークション
ヘリテージオークション社とは1976年にアメリカのダラスで創業した、オークション・収集に特化した企業です。
コインの他にも、漫画やアート、スポーツ界の記念品、宝飾品などの幅広い品物を扱い、そのオークションハウスの規模は世界で3番目に大きいとされています。
つい先月の7月21日にも、1980年代に大流行した任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」のソフト「ゼルダの伝説」の競売が行われ、87万ドル(約9600万円)で落札されたことが日本でも報道されました。
そんな世界中のコレクターが注目するヘリテージオークション社が、先日8月19日、20日に世界のアンティークコインをテーマにしたオークションを開催しました。
1700点以上もの貴重なコインが出品される中、ひときわ注目されたのが、今回過去最高価格で落札されたウナ&ライオンの金貨なのです。
落札されたウナ&ライオンの金貨とは?
今回のオークションで過去最高価格を記録したのは、1839年に発行された「PR66UC★」鑑定のウナ&ライオン5ポンド金貨です。
その落札価格は、なんと1億7千万円!
たった一枚の小さなコインが、これだけの価値を有していると思うと、コインディーラーとして非常に感慨深いものです。
やはりイギリスコインには、アメリカやイタリアなど他の国にはない特別な魅力があるということでしょうか。
次回このコインが市場に出てくる際はいくらの値がつくのか、期待が高まります。
1839年といえば、ヴィクトリア女王による統治時代が始まってから2年後の年。
日本では江戸時代の後期にあたり、ペリーが来航する直前のことでした。
この年に発行されたウナ&ライオンの5ポンド金貨は発行枚数わずか400枚程度、「世界で最も美しい金貨」と評され、現存するコインの多くが非常に高値で取引されております。
弊社コインパレスでご用意しているウナ&ライオンの金貨
弊社が所有するウナ&ライオンコイン
今回のヘリテージオークションで落札されたウナ&ライオン金貨と、同デザイン、同年代、同グレードのコインが、なんと弊社にもございます。
コインの名称は「1839 ヴィクトリア女王 ウナ&ライオン 5ポンド金貨 NGC PF66UC」。
博物館級の逸品でございます。
表面には彫刻界の巨匠、ウィリアム・ワイオンによるヴィクトリア女王の肖像画。
裏面にはヴィクトリア女王を模したウナと、イギリスの国家や国民の象徴であるライオンが描かれています。
薬剤や人の手などによって綺麗に磨かれたウナ&ライオンは他にもございますが、弊社のコインのように手つかずのまま182年間の時を刻み、歴史を伝えるものはそうそうございません。
特に注目して頂きたいのが、コイン表面の文字の周りに見られるオレンジ色がかった部分。
プルーフ加工されている場所と違って凹凸があるこの部分は、人々の手が触れることがほとんど無かったため、自然本来の経年変化が現れています。
これは、クリーニングされ全体が綺麗なものとは大きく異なる特徴の1つです。
また、コイン裏面に見られるわずかな赤さびは、1839年に発行された際に使われていた素材ならではの反応であり、当時の時代背景を想起させる歴史のメッセージでございます。
このように弊社のウナ&ライオンには、人工的に磨かれてしまったアンティークコインや、発行から間もないモダンコインには見られない唯一無二の魅力があります。
この非常に貴重なコイン、神戸にある弊社のショールームで開催される特別展覧会にて実際にご覧いただけます。
ぜひこの機会に、幻の逸品をお楽しみくださいませ。