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コインパレスのコインコンシェルジュブログ

2021.09.02スタッフブログ

なぜ今、世界は英国コインに注視するのか?人気の要因と注目コインランキングをご紹介

イギリスコイン

ご挨拶

皆様こんにちは。

イギリスコイン専門店、コインパレスの室田でございます。

先日ヘリテージオークションにて、ウナ&ライオンが過去最高価格1億7千万円で落札されました。

3月に開催されたヘリテージオークションの高額落札ランキングに多くのイギリスコインがランクインした経緯もあり、世界中からイギリスコインが注目されております。

そこで本日は、イギリスコインが注目される要因と、注目コインランキングトップ5をご紹介いたします。

ヘリテージ・オークション社主催の「パラマウント・コレクション・オークション」において証明された英国コインの圧倒的優位

イギリスコイン

今、真に全世界的な注目を集めている英国コイン。

実物資産としての価値は言うに及ばず、その普遍的芸術性が評価の対象となり、着実に評価を固めつつあります。

止まるところを知らない英国コインの価格上昇はその人気と正比例し、今日、アンティークとモダン双方の分野で緻密な計算に基づく正確な市場価格を形成しています。

しかし英国コインに対する安定した評価と人気は、決してその高水準を持続する価格のみから生じた結果ではないことも確かです。

数々の傑作コインを生み出した王室の権威と長大なる歴史の中で築き上げられた英国の世界に対する国家としての信用こそ、英国コインが他国発行のコインに先駆けて優位を誇り、世界を魅了し続けている理由に違いありません。

そしてこの絶大なる信用によって評価を固めるに至った英国コインの価値が一過性のものでは無いことを確実に証明し、その未来的展望を明確に示唆したある「事件」に近年我々は遭遇しました。

2020年10月にモナコのモンテカルロで開催された「MDCオークション」に引き続き、2021年3月にはアメリカ合衆国ダラスで史上最大規模を誇る「パラマウント・コレクション・オークション」が開催されましたが、これらの世界規模でのコイン・オークションの開催によって改めて英国コインの神髄が披露され、その絶大なる人気と称賛を目の当たりにすることが可能となりました。

それは英国コインに対する単独の栄誉と捉えられるべきではなく、コイン界全体にとっての勝利でもありました。

10年前まではマニアの領域でしかなかったこの貴族的かつ前時代的な趣味が一際光彩を放ち、コイン売買そのものが活況を呈する機会を設けたことも、偏に今、世界から最大の注目を浴びている英国コインこそがもたらした恩恵ではなかったかと、オークションの開催と並行して考えさせられたのも確かです。

英国コインの真価を左右する二大要因

イギリスコイン

現在、英国コインはその価値上昇と共に、未来に向かって無限の可能性を広げています。

世界のコインに対する新たな興味は、英国コインの人気によって左右されていると言っても過言ではないほどです。

これほどまでに独自の境地を確立した英国コインの人気の源とはどのような性質のものなのでしょうか。

資産価値の範疇に収まらない多彩な魅力を有する英国コインから我々が受ける恩恵は、その歴史的価値と物的審美性 を含みます。

天上の高みに到達しつつある英国コイン、特にアンティークコインの優れたデザイン性と歴史に裏付けられた王室のオーソリティーこそ、間違いなく我々がそれらの名品に期待する二大要因であり、前述のオークションにおいてもこれらの点が史上空前の数字を弾き出していたことは確実です。

加えて同オークションの桁外れの成功は、主催者であるヘリテージ・オークション社の長年にわたるコイン・オークション開催に関する豊富な知識と経験が可能としたものであることは言うまでもありません。

当コラムでは2021年3月にダラスで開催された「パラマウント・コレクション」に出品され、ヘリテージオークション社のカタログに「最も重要なコイン」として上げられたトップ5を個別でご紹介させて頂くと同時に、英国コインならではの尽きない歴史的興味にも焦点を当てたいと思います。

一世代に一度の高水準を成就した「パラマウント・コレクション・オークション」で最も注目されたコインランキング上位5点

イギリスコイン

「最も注目されたコインランキング」が掲載されたヘリテージオークション社のカタログ

ダラスでの「パラマウント・コレクション・オークション」の開催は、長い歴史に裏付けされた英国コインの普遍性を強調すると共に、その類まれなるデザインの秀逸さと際立つ美しさを再び確認する絶好の機会となりました。

世界各地の高い文明を誇る地域で創造されたコインからなる膨大な同コレクションの中で最高度の注目を集め、他を遥かに超越する記録的な落札結果を誇示したのは、やはり予想通りの英国コインでした。

ヘリテージオークション社のカタログに「最も重要なコイン」トップ5として上げられたのは全て英国アンティーク金貨 で、歴代国王のポートレートを掲げるそれら5種の金貨は、どれも英国貨幣史上に特筆される稀代の名品ばかりです。

それらに共通する特徴として、まず希少価値の点で抜きん出た作品であることが挙げられます。

発行枚数はそれぞれごく僅かに過ぎず、傑出したコンディションがそれらの価値を限りなく高めていることが最大の特徴です。

第5位 1820年ジョージ3世5ポンドプルーフ試作金貨 PR63+UC

イギリスコイン

引用:ヘリテージオークション社

落札価格:504,000ドル(約5,500万円)

ランキングで第5位に輝いたのは1820年、ジョージ3世の治世下に発行されたプルーフ・パターンの5ポンド金貨で、プルーフ63鑑定+に加え、ウルトラカメオ(特殊鏡面仕上げ)仕上げの絶品でした。

504,000ドル(約5,500万円)の驚異的な落札価格は、いかにジョージ3世時代の金貨が英国貨幣界において特別視され、高い人気を誇っているかを物語っています。

王の臨終の年である1820年に発行されたということと、裏面に史上最高度の人気を誇る名匠ピストゥルッチによる「聖ジョージの竜退治」が描かれていることも、この金貨が特に評価される理由として挙げられます。

第4位 1731年ジョージ2世5ギニープルーフ金貨 PR64+Cameo

イギリスコイン

引用:ヘリテージオークション社

落札価格:660,000ドル(約7,100万円)

ジョージ3世の父であったハノーヴァー朝第2代国王ジョージ2世の若き日のポートレートを刻むこのコインは、第5位の5ポンド金貨との激闘の末、見事第4位を勝ち取り、世界中のコイン関係者の最大の関心を集めました。

プルーフ64+カメオという、この魅惑的なアンティーク・コインとしては非常に稀な鑑定結果は660,000ドル(約7,100万円)という高い落札値を生み、第5位とは大きく水をあけるドラマティックな展開を見せ、会場を狂喜させました。

第3位 1773年ジョージ3世5ギニープルーフ試作金貨 PR64 Cameo

イギリスコイン

引用:ヘリテージオークション社

落札価格:750,000ドル(約8,100万円)

第3位には再びジョージ3世時代の名品が栄冠に輝きました。

1773年に発行されたこの金貨は1760年に即位したジョージ3世の治世最初期のコインとしての歴史的価値が付与されます。

そして英国を史上最大の帝国へと導いた産業革命の最盛期であったこと、またアメリカ独立戦争の直前であったこと等、英国史にとっての一大転換期に発行されたことから歴史的評価の高い金貨としても知られているものです。

そして表面に描かれている国王のポートレートは、男性国王として59年間の史上最長在位を誇り、英国の国家的尊厳の高揚に全人生を捧げた稀有の名君の治世初期の傑作として英国貨幣史上に輝くものです。

デザインの美しさは群を抜いていますが、その最終落札値も驚異的で、750,000ドル(約8,100万円)の天文学的数字こそが、プルーフ64、カメオの高い鑑定結果が生んだ奇跡であると言っても過言ではありません。

第2位 1662年チャールズ2世クラウンプルーフ試作金貨 PR63 Cameo

イギリスコイン

引用:ヘリテージオークション社

落札価格:780,000ドル(約8,400万円)

オークション参加者の誰もが待ち望んだ第2位に輝いたのは、1662年、チャールズ2世の治世に発行された世界初のクラウン試作金貨でした。

残存枚数が極めて少ないことで知られる名貨ですが、プルーフ63、カメオの高査定結果はこのコインの稀少価値を更に高め、同オークションの開催の歴史的意義を世に問うことに貢献したと言ってもいい程です。

コイン表面には王政復古を成就し、英国全土をクロムウェルの圧政から解放した「救世主」チャールズ2世の高邁なる精神を表す横顔が刻まれています。

コインの表裏共にその後の歴代王朝コインの雛型となったデザインが描かれており、近代英国コインの華麗なる幕開けを代表するコインとしても歴史的に評価の高い作品です。

780,000ドル(約8,400万円)の天文学的落札価格は、このコインの歴史的価値を考える時あながち驚嘆に値しないというのが大多数の意見ではないでしょうか。

350有余年の時を経てアメリカ合衆国ダラスの地に降臨した「英国コインの皇帝」堂々第2位の獲得となりました。

待望の第1位は:1937年エドワード8世5ポンドプルーフ試作金貨 PR67UC

イギリスコイン

引用:ヘリテージオークション社

落札価格:2,280,000ドル(約2億5,000万円)

現時点におけるアンティーク・コイン・オークション史上の最高落札値を記録し、この度の「パラマウント・コレクション・オークション」開催の最大の成果であると目されているのが、この1937年発行のエドワード8世時代の5ポンドプルーフパターン金貨です。

英国王位を捨ててアメリカ人女性ウォリス・シンプソンとの結婚を選択したエドワード8世のロマンティックな人生は「王冠を掛けた恋」と表現され、20世紀の英王室史屈指のロマンスとして知られています。

その世紀の大恋愛の主人公を描く当コインは、コインマニアを落胆させるほど極端に少ない残存枚数で知られ、今回のオークションで日の目を見たこと自体が奇跡であると言っても過言ではないほどです。

在位期間僅か11カ月であったエドワード8世の翌年の戴冠式のためにデザインされたこの伝説的なコインは、王が退位したために戴冠式を挙行することが出来なかったため、皮肉にも退位記念の記念品として伝えられていることで知られるいわくつきの傑作です。

しかし英国コインの本質を示すこのコインの真価は、決してその稀少価値のみで測ることが出来るものではありません。

世界最高のコイン鑑定機関であるNGC社による査定によって付与されたプルーフ67、ウルトラカメオのグレードは、オークションに出品されたこの一点ものの現物こそが英国コインの代名詞であり、コイン・オークション史上最高の名品の一つであるということを見事に立証しました。

解き放たれたベールの下には2,280,000ドル(約2億5,000万円)の天文学的最終落札値が残り、改めて英国コインに対する熱狂と絶大なる高評価を世に知らしめる結果となりました。

「パラマウント・コレクション・オークション」以降のオークション開催の意義と英国コインの無限の将来性

英国コイン全体をクローズアップし、成功裏に閉幕となった「パラマウント・コレクション・オークション」ですが、これら5点を含むコレクション全体に対する歴史的評価は閉幕後一層の高まりを見せ、オークションの開催自体が広く称賛の的となったことが後に明らかになりました。

英国コインの優勢を強く印象付ける結果となった今回のオークションですが、一世代に一度出会えるか否かの5点の英国コインの傑作が一堂に会する機会を提供したことにより英国コインに対する世界の関心を高め、近い未来に開催される予定の大規模なオークションへの未知の期待を増大させることに貢献したことは間違いありません。

今後、一層優れたコレクションを網羅するコイン・オークションが開催され、今回の記録を刷新する名品の登場を目の当たりにし、英国コイン界全体がさらに高次元の評価を確立する日が来ることは想定の範囲内ではありますが、オークションの会場で英国文化の粋を極めた選りすぐりの名品が取り挙げられる瞬間に立ち会えることほどコインファンにとって光栄なことはないはずです。

この度のダラスでの感動を胸に抱きながらも、今後も上昇を続けるはずの英国コインの価値推移からは目が離せそうにはありません。

今、英国コインが新時代を迎えようとしていることを、ダラスのオークションでの空前の成功こそが、熱狂と興奮と共に我々に伝達しているように思えてなりません。