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2014.12.05アンティークコイン
『ウナ&ライオン』5ポンド金貨の現在の相場
『ウナ&ライオン』5ポンド金貨の現在の相場銀座コインオークションが終わり、時の移ろいの速さに驚くばかりですが、皆様お変わりないでしょうか?落札結果を見ますと、室町時代の「上字金」145gも1,000万円を超える落札価格でしたが、ニコライ2世の37ルーブル5ペイク金貨の1,400万円には驚かされましたしかし大方の予想通り最高落札価格をマークしたのは『ウナ&ライオン』5ポンド金貨でした。2,100万円(落札手数料、消費税含)の金額を高いとみるか低いとみるか事前に下見をした上での感想は『EF/AU Proof』の評価通りあたりもなく、ヘアラインもそこそこPCGSが鑑定すると『PR62DeepCameo』と見ましたこれが素人鑑定の目算ですしかし機械とは異なる人間でもプロとなると場数をこなしているだけあり、之ほどの超ハイクラスの鑑定には幾人もの目を通り鑑定されますPCGSと言ったのはNGCよりも評価が厳しいからです。これは何年も携わっていると分かることですが、NGCは過去数年大きな波がありました理由を簡単に言うと、人によって評価が異なったという事です人が入れ替わり、社内基準が少しずれるだけでこういった公の目にさらされる物は万民の目に触れ「何故これでこのグレード?」こんな意見がでると一気に信用信頼がゆらぎますよねそして「NGCは評価が厳しすぎる」「アバウトだ」などの風評が出ることで鑑定基準が甘くなったり厳しくなったする人は見ているのですそして自分のものと比較をしたがる生き物なのでしょう第三者機関としての立場を律するべきだと思います驚愕の鑑定結果の理由とは?以前この『ウナ&ライオン』をPCGSへ鑑定依頼した知人が後日結果を楽しみにブースを訪れホルダーの表示を見たとき期待してあるはずの鑑定数字が記載されず「Details鑑定」だったことに大きく落胆していたのを思い出します数字がつくのと「Details鑑定」と天と地の差があるからですなにせ当時の相場でも500万円は下らないものを2枚鑑定依頼したところ2枚共数字がつかなかった彼の心中穏やかでなかった事はそれまでの自慢話に出てきたものがパタンと出なくなったことからも想像に難くありませんしかし後生大事に持ち続けず、気付けた事が幸いしたのではないでしょうか早晩わかるものでしょうが・・・『ウナ&ライオン』5ポンド金貨を所有することがコレクターの登竜門『ウナ&ライオン』5ポンド金貨を所有することがコレクターの登竜門とも言われ、ステータスになる程、世界のコレクター共通の目標となっていますしかしこれは通過点でしかないと考えています次に目標とするコインがあるからですその事は改めて記したいと思いますこの記事の読者の皆さんから、沢山のコメントを頂きアンティークコイン収集に興味深い方々の多さに驚いています。さて話を戻し、いったい現在の相場はどうなっているのか調べてみました凡そこんなものではないでしょうか余り乖離しすぎていないので掲載したいと思います(単位は万円)AU DETAILS 800 ~ 900
PR53(PF53) 800 ~ 1,000
PR55(PF55) 900 ~ 1,000
PR58(PF58) 1,000 ~ 1,200
UNC DETAILS 1,200 ~ 1,300
PR60(PF60) 1,300 ~ 1,500
PR61(PF61) 1,500 ~ 1,900
PR62(PF62) 2,000 ~ 2,500
PR63(PF63) 2,400 ~ 2,800
PR64(PF64) 2,800 ~ 4,000こちらは15枚のフルセットの参考価格です(単位は万円)UNA&LION 15PIECES FULL SET R2 PRICE GUIDE
AU DETAILS 1,400 ~ 1,600
PR53(PF53) 1,600 ~ 1,700
PR55(PF55) 1,800 ~ 2,000
PR58(PF58) 2,000 ~ 2,100
UNC DETAILS 2,200 ~ 2,500
PR60(PF60) 2,600 ~ 2,800
PR61(PF61) 2,900 ~ 3,300
PR62(PF62) 3,500 ~ 3,900
PR63(PF63) 3,900 ~ 4,500
PR64(PF64) 4,200 ~ 4,8005ポンド、2ポンド、クラウン銀貨の順に価格が安くなる為、5ポンド金貨を基準にした相場と見ていますが、凡そ妥当な価格だと思います”現在は””現在は”ですこの数年、5ポンド金貨の人気はアメリカコインの希少性以上に突出した伸びを示していますGコインオークション、日本コインオークション、『ウナ&ライオン』5ポンド金貨の出品されるオークションは数少ない現在毎年目にする金貨ですが、人気が高いだけに注目の目が集中します『果報は寝て待て』発行数400枚という少ない駒に多くの人だかりができるのだから暴騰するのも自然なことですが、いっときのバブルではなく暴落はあり得ないでしょう「400枚の発行数が実は1000枚だった」そんな事実が発覚でもしない限り・・・天井知らずの資産価値を有した「究極の美術品」だと思います現在の円安を背景に、この資産価値はとどまる処を知らず、更に飛躍しています如何に円高の時代に手に入れ、円安の為替差益を織り込んで利益を出すのか為替差益は神のみぞ知る、アンタッチャブルな世界だから如何ともし難いですね毎年発行される『Spinkカタログ』を見ても評価額は高値に更新され続け、コレクターの懐を温め続けていますこのカタログはイギリスアンティークコイン界を導く大きな指標ですが実際の取引ははるかに参考価格を上回っているのが現実15枚ものフルセットで見たヴィクトリア女王の世界は圧巻です1枚1枚集めるのも一苦労ですが、収集のしがいがあります完成した時の清々しさと満足感は、コレクター冥利につきるのではないでしょうかこれだけの希少性を有したものは、グレードで判断するよりも「持つ事」が大切です競争倍率が最も高く、まずもって手にする機会が少ない希少金貨のですからこれこそ『家宝』として後世に受け継ぐものでありましょう一時の欲に目を奪われ手放す人がいますが、手放さなくても良い環境であれば、持ち続ける事が賢明です「持っている事すら忘れてしまう事」持っている事を意識すると「今の相場は幾らだろう」と売る事を考えてしまうからだそうですですから『果報(家宝)は寝て待て』なのです